万里の道も一歩から

エンタメもぐもぐ日記

40日目:舞台『千と千尋の神隠し』

本日有給取って観劇してきました。

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Wキャスト情報はこちら。

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すんばらしかったです。もう「成仏」としか言えない。成仏です。成仏しました。

お目当てはハク役の三浦宏規くんです。好きなんですよ、三浦くん。顔がかわいくてダンスがめちゃめちゃ上手いので。それな。
あと千尋の母/リン役の咲妃みゆちゃんにも会いたかったし、千尋役を努める天下の橋本環奈ちゃんもこの目で見てみたかった!そんな欲望が一度に叶う空間でした。


本当に三浦くんのハク素晴らしかったです。なんというか「初恋」にステータス全振りのハク様だった……こんなん!!こんなん見せられたら誰もが初恋:ハク様になっちゃうよ!!!という破壊力。

その声が、表情が、手が、もう全部優しい。優しさのかたまり。知らない場所に迷い込んで両親が豚になって自分も消えかけてて……と狼狽える千尋を落ち着かせるように、そっとあたたかさで包み込むようなハク様でした。
掛ける声も触れる手も優しくて絶対的味方感がすごいし、当然「私は千尋の味方だ」のセリフの説得力もすごい。この世界に迷い込んでしまった千尋が頼れる唯一無二の存在だというのがひしひしと伝わってきたし、そう描かれているからこそ千尋が1人で釜爺のところへと向かう場面でハクに向かって言う「行かないで、ここにいて」という切羽詰まった感もより伝わってきて大変良かったです。

うん、映画のハク様も当然優しいとは思うんだけど、ここまで優しさ・あたたかさを強調したハク様は個人的には斬新でとても鮮やかに映りました。
でも三浦くん持ち前の優雅さや高貴さも存分に発揮されてるから、ただ馴れ馴れしい人にならずちゃんと神聖さみたいなのも滲み出てて。バレエのスペシャリストならではの美しい身のこなしはもちろん輝いてますし、すごいバランスですよほんと。よくぞ作り上げた……

そしてハクの優しさがしっかり表現されているからこそ、お仕事モードの「私のことはハク様と呼べ」の対比が素晴らしいですね。そりゃ「ハクって2人いるの?」ってリンさんに聞くよ。
んで本当のハクはどっちなんだろう……と不安になる気持ちを吹き飛ばすかのように、また「おいで」と溢れ出さんばかりの優しさを纏って会いに来るハク……しんどい……しんどすぎる……これは絶対に初恋……

いやもうねぇ〜〜ただ好みの話ですが私はこういう「底が見えない程の愛と優しさで相手を包み込む」みたいなのがとんでもなく好きでしてね〜〜〜好きなんですよね〜〜〜くぅ〜〜〜〜〜!!!!!!!
「あ、これ超好きなやつ」でした。本当に。超好きなやつです。私こういうの見せれば問答無用で喜ぶから。この「優しすぎるハク」だけで帝劇のチケ代元取れました。ありがとうございます。おにぎりのシーンとか、千尋の背中に添えられた手があまりに優しすぎて常にダム崩壊直前みたいな心境で双眼鏡を握りしめててめちゃくちゃ大変でした。ありがとうございます。

あとやっぱ知ってたけど三浦宏規くんとってもダンスが上手だわ……知ってた。
尺としてはちょこっとですがハクが舞うみたいな場面があって、まぁ美しいのなんの……これは全人類大喜びなんですよ。ハク様としての麗しさを倍増させるそのダンススキル……さすがすぎる……まじでうちの子良い役もらったわ……(※うちの子ではない)

幕間で客席から「誰がハクやってるの?顔が良い……」という声が聞こえてきて、思わず「私が育てました」の表情を浮かべてしまったよね。育ててません。
ハク役は三浦宏規といいます……「みうら ひろき」です……ぜひ名前だけでも覚えて帰っていただいて……はい……こないだレミゼのマリウス役をやったりしてました……どうぞお見知りおき…………(誰目線??)


そしてみんな大好き咲妃みゆちゃん!私は咲妃みゆちゃんが宝塚在団中にはまだ宝塚歌劇団と出会ってなかったので、今日の観劇がはじめましてでございました。はじめまして!!いつもタカラヅカスカイステージの過去公演の映像等で拝見しております!!!

咲妃みゆちゃん本当に素晴らしかったっすね……千尋の母/リンの2役どちらもとっても素敵だった……
千尋の母役としての出番は最初だから、おそらくここでジブリファンの方の心を掴むのが目的なんだと思うけど変にオリジナリティを加えずに忠実に原作を再現、というプロフェッショナル感が凄かったです。完璧な完コピを見た。「完璧な完コピ」って頭痛が痛いみたいになってるがな。
完コピと言っても映画アニメーションでの言い回しをそのまま帝国劇場で表現してもきっと違和感が出てきてしまうと思うんだけど、いや専門家じゃないからわかんないですが、「忠実に原作を再現しながらも舞台という場で聞いても違和感のないお芝居」をできるのは本当に凄いなと思いました。さすがすきる。

そんなお母さんとは打って変わってのみんな大好きリンさん!!最高!!イケメンすぎる!!!!
かっこよくて面倒見の良い姉御肌、最高〜〜!!!超かっこよかった〜〜〜〜!!!!!みんなの前では「なんで俺がこいつの面倒みなきゃいけねぇんだよ」からの、2人になって「よくやったなぁ!お前トロいから心配してたんだよ!」の言い回しが優しくてあたたかくてグッときてしまいました。ここでハクに次ぐ2人目の味方ができる、という安心感が見事に表現されてて素晴らしい……リンの姉御!!一生ついていきます!!!

リンさんは一人称「オレ」だしサバサバしてるし、でもやっぱり咲妃みゆちゃんの圧倒的""美""がそこにあるからハッとさせるような鮮やかさに満ちているというか……本当に素敵でした。
あとやっぱシンプルにお芝居が上手いわ。知ってた。リンさんが小舟を漕いで千尋を駅まで連れて行くシーンで「せーーーーん!!!」と呼び掛ける場面、舞台上のスペースの関係で原作ほど距離が取れないんだけど「遠くから呼び掛けている声」で芝居をしていて、それだけで舞台に奥行きが出るから本当にすごかった。こういう演者の技巧でどうしても仕方ない部分をフォローするのかっこよすぎて大好き。
あと舟を漕ぐ動きめっちゃくちゃ上手かったな、なんであんなに咲妃みゆちゃん舟漕ぐの上手いんすか??なんかやってた??(???)

絶対この公演期間で「リンさんの夢女子」が爆誕し続けると思うし、あとWキャストの妃海風ちゃんの演じるリンさんはどんなかんじなんだろう〜〜というのも気になってます。ふうちゃん回……チケット取っちゃだめ?だめか?地方公演狙ってもいい??ちょっと冷静になって考えよう……素晴らしすぎるから実質無料!!とか言ってるけど実はこれ無料ではないというトラップよ……そうなんだ……知らなかった…………


そして立派に主演を務めていた橋本環奈ちゃん!舞台は畑違いだろうにそれを感じさせない千尋っぷりで、きっといっぱいお稽古したんでしょうね……すごいね……
これはシンプルに好みの話なんですが、橋本環奈&三浦宏規の並びは実質「1000年に一度の美少女&1000年に一度の美少女」なので大変眼福でございました。ありがとうございます。


というかここでそもそもの話をするんですが、まず『千と千尋の神隠し』ってストーリーと舞台設定が良いよね。まずそこ。わかる。
物語の舞台となる「油屋」が八百万の神々が疲れを癒やしにやってくる湯屋……というのが良いんですよ。神様がくつろげる場所、エモいではありませんか。そんな賑やかで活気のある空間だけど、その根本にある空気感としても物理的にも「あたたかい場所」だというのが伝わる演出と舞台装置が大変良かったです。
ハクもさ、川の神様だったわけじゃん?だから昔はお客さんとしてここに来たことあるのかな……とか考えていたらしみじみしてしまったよね。

そして千尋とハクも、良いよね。わかる。主語を大きくして申し訳ないんですが、オタクは全員「実は昔会ったことがある」が大好きなんですよ。これ嫌いな人おらん。
千尋はハクのおかげで自分の名前を取り戻せたし、ハクも千尋の言葉で本当の名を思い出した……良すぎ。最高。運命と必然の出会いにバンザイ。

宝塚歌劇団を日々浴びてるオタクからすると最後の別れの場面は「キスくらいしよーぜー!!!!」の感情が爆発してしまったんですが、そうはならんところが2人の素敵なところですね。いやまぁ別にしてくれるんならちゅーしてほしいけど……してくれるんなら……(強欲なヅカオタ)


あ、そうだ!喋っていい?喋っていいですか?(もうずっと喋ってるよ)
その最後の場面に原作の映画にはないオリジナルの演出があって、あっこれ絶対ネタバレなしで観たほうがグッとくるから千と千尋の観劇予定がある方はここでスクロールする指を止めてUターンしたほうが良い!大丈夫!キスはしない!そういうんじゃないから!はい安心してUターン!!!







Uターンした?したか??喋るよ???




両親と合流してトンネルを抜けて、ありゃ〜車がホコリだらけだよとあわあわしてるところで千尋がトンネルを振り返る、もらった髪ゴムがたしかにあるのを確認して夢じゃないと実感する、車に戻る、が物語のラストシーンじゃないですか。

舞台『千と千尋の神隠し』はですね、なんとその後にハクがトンネルから出てきてバッと花びらが舞う……で物語が終わります。
良すぎか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ハクは別れる前に「この先へは行けない」と告げているので物理的にハクがトンネルのこちら側まで来たというわけではなく「そういう演出」なだけだと思うんですが、ハクがそうやって千尋の新たな門出を祝福するかのように花びらが舞う中で優しく見送ってくれる、というのがもう胸がいっぱいになってしまうんですよ……愛だ……愛がここにある……

そもそも千と千尋は引越し先に向かう車の中で千尋が友人からもらった花束を握りしめている、というところから始まる話なので、締め括りが舞う花びらとなったことで「花に始まり花に終わる」感が出てすごく素敵なオリジナル演出だなと思いました。春が始まるこの時期に観れて良かった……
ん、それか約束通りハクもいつかトンネルのこちら側に来れるよ、ということを匂わす演出なのかもしれん。その解釈も良いな。もうちょっと反芻していろいろ噛み砕こうと思います。


いや〜〜他にもたくさん素晴らしいところはあったんですが、書き切れないのでこの辺りで。三浦ハクの溢れ出るばかりの優しさをまた浴びたいのと、妃海風ちゃんverの千尋ママ/リンさんが観たいぞ!ということで一般発売がこれからの地方公演を狙うだけ狙ってみるかもしれないです。
まぁ一旦冷静になるべきだしとりあえず今日はもう寝よう、睡眠によって強引に自分を冷静にさせる術……

まだまだ大変な状況下ですが、どうかカンパニーのみなさんが無事に千秋楽を迎えられますように!あと東宝さん〜〜どっかのタイミングで配信してくれんか〜〜!!頼む〜〜〜!!!配信でも観させてくれ〜〜〜!!!!

おわり